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思いついた妄想をつらつらと・・・
2025
05,28

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2006
09,06

 人殺しが嫌で里を抜けた、

 そういえば多少聞こえはいいが、実際のところは唯人が煩わしかっただけ。
 命令されて、命令して、怒って殴って殺して、
 あーもうどうでもいいや、って思ったときにはもう体は動いていた。
 それから山奥の小さな小屋で、サバイバル生活。
 幸い文明的な生活よりも、原始的な生活に慣れていたから、その生活に困ることはなかった。
 でも、何か足りない。

――――人だ

 里を抜けて、もう戻れなくなって気付いた。
 笑い合って、励まし合って、声を掛け合える人間は、本当は大切な存在だったのだ。
 そう思った矢先、人を忘れかけた殺伐とした生活の中に、一人の人間が転がり込んできた。



「はたけカカシさんですか?」

 殺気を発さない、まるで何も考えていないような人。
 それでも木の葉マークの額宛をしていたから、すぐに追い忍だと分かった。
 けれど、正直捕まろうが、拷問されようが、もうどうでもよかったから、素直に頷いた。

「そうですけど、なにか」
「一応追い忍なんですけどね、」

 モグモグと言い難そうに、口を動かした。

「・・・一緒に暮らしませんか?」

 そのたった一言に驚いたのは言うまでもない、開いた口が塞がらないとはこのことだ。
 どうせ里が仕向けたものだ、おれを更生しろとか何とか言って。
 本当に嫌なら殺しても構わなかった。
 けれどそこで再び頷いてしまったのは、人が恋しかったから。
 そしてどうしてか、動くたびにピョコピョコと揺れる、その黒髪が気になったからだ。
 いつ殺されるか分からない生活も、スリルがあって楽しそう。
 なにより、この部屋も少しだけ、人の匂いがするようになるかもしれない。温かさを取り戻せるかもしれない。
 会ってすぐなのにおれは、自分の一生をこの人に賭けてみよう、そう思った。


 それから、奇妙な同居生活が始まった。


                                         to be continue...

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