2008 |
12,15 |
未だに夢を見るんだ
泣き顔、怒った顔、拗ねた顔、そして輝くような君の笑顔を
息苦しさで目が覚めた。
目を開けると大きな扉と傍らで控えめに積まれた書類が視界に入ってくる。ここはブリタニアの宮殿なんだと、ルルーシュは実感した。
「殿下」
名を呼ぶのは、騎士のスザクだった。その声色は、冷たい。
「すまない、うたた寝をしてしまった」
「いえ、勝手に失礼してすみません。呼びかけたのですが返事がなかったもので」
「いや、いいんだ。それで用は?」
「用は…」
スザクは用件を話し始める。その口元をぼーっとみながら、ルルーシュの頭は違うことを考えていた。
「以上ですが、どういたしますか」
「構わない。ジェレミアにでも任せておけ」
そう言うと、スザクは頭を下げ、小さな声でイエス、ユアマジェスティと言う。顔を上げたスザクは、書類に手をつけようとするルルーシュの左手に自分の右手を重ねた。
「さっき、なに考えてたの?…うなされてた」
ルルーシュはスザクの手の上に再び自分の右手を重ねて言う。
「なにも。なにも考えてないさ」
「…そう、あまりご無理なさらぬよう」
「ああ、ありがとう」
身を翻したスザクの背中をみながらルルーシュは笑った。
考えるまでもない。
彼女の太陽のような笑顔をなくした罪はいつでも背負っている。
泣き顔、怒った顔、拗ねた顔、そして輝くような君の笑顔を
息苦しさで目が覚めた。
目を開けると大きな扉と傍らで控えめに積まれた書類が視界に入ってくる。ここはブリタニアの宮殿なんだと、ルルーシュは実感した。
「殿下」
名を呼ぶのは、騎士のスザクだった。その声色は、冷たい。
「すまない、うたた寝をしてしまった」
「いえ、勝手に失礼してすみません。呼びかけたのですが返事がなかったもので」
「いや、いいんだ。それで用は?」
「用は…」
スザクは用件を話し始める。その口元をぼーっとみながら、ルルーシュの頭は違うことを考えていた。
「以上ですが、どういたしますか」
「構わない。ジェレミアにでも任せておけ」
そう言うと、スザクは頭を下げ、小さな声でイエス、ユアマジェスティと言う。顔を上げたスザクは、書類に手をつけようとするルルーシュの左手に自分の右手を重ねた。
「さっき、なに考えてたの?…うなされてた」
ルルーシュはスザクの手の上に再び自分の右手を重ねて言う。
「なにも。なにも考えてないさ」
「…そう、あまりご無理なさらぬよう」
「ああ、ありがとう」
身を翻したスザクの背中をみながらルルーシュは笑った。
考えるまでもない。
彼女の太陽のような笑顔をなくした罪はいつでも背負っている。
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