2006 |
08,29 |
«プリン»
プリンが好きだ。
とろーりとしたプリン、
出来ればカラメルはいらない、と昔は思っていたけれど、今では2つが混ざり合うおいしさを覚えた。
毎日食べたいなぁ
でもあのプリンは高いから・・・
そうだ!カカシさんに買ってもらおう
いつも甘えないんだから、これくらい・・・
「というわけで、プリン買ってください」
珍しくイチャパラではなく、新聞を読むカカシさんに言った。
カカシさんは新聞から目を離し、俺を見るとニコッと笑った。
「いいですよ」
てっきり断られると思っていたのに、なんだこの人は!
“というわけで”の意味も言ってない、すごく意味不明な頼みなのに・・・
カカシさんは、自分で頼んで困惑する俺を見てまた笑った。
「・・・いいんですか?」
「いいですよ」
「ホントに?」
「ホントに。・・・じゃあ1つ条件」
カカシさんは、今度は手に持っていた新聞を置いて、近寄ってきた。
額に温かい唇が触れる。
「これからもっと甘えて」
なぁんだ、そんなこと
「・・・プリン1週間分で手を打ちます」
素直じゃない、オレ
2006 |
08,27 |
«目»
「目が見えなくなったらどうしますか?」
そう質問してきたイルカ先生は、泣きそうだった。
ただ仮想なのに、もしも、なのに。
なんでアナタは、そんなに泣きそうなの。
「悲しみますね」
「・・・忍びなのに?」
「忍びでも何でも、悲しいものは悲しいですよ。」
だって俺は、イルカ先生の顔が見れなくなるのは、とても悲しい。
「誰になんて言われたのかは知りませんが、イルカ先生は今のままでいいんですよ」
どうせ誰かに入れ知恵されたんだろう。
感情を思い切り表にだすのは忍びじゃあない、とか。
世間一般的に見ればそうかもしれない。
でもそんなのは違う。
忍びだって楽しいときは笑う、嬉しいときは喜ぶ、悲しいときは泣く。
人を殺めるときは、自分を責める。無感情に殺すわけじゃない。
そんなのは、当たり前だ。
「俺は、イルカ先生を見れなくなるのは、悲しいですよ」
そんなの、当たり前だ。
2006 |
08,25 |
«犬»
「カカシさんは犬飼ってるんですよね・・・」
イルカ先生の家でイチャパラを見ていたら、イルカ先生はテスト用紙を前に、突然そう口にした。
「まあ飼ってますけど、忍犬ですからねぇ」
「でもいいじゃないですか!俺も飼おうと思ってるんですよ」
テストの丸つけもそこそこに、イルカ先生は目を輝かせて力説した。
きっと寂しいんだろう。
家に帰って誰もいないことが。
確かに俺は、イルカ先生より早く帰れることは滅多にない。(それ以前に同棲もしていないけれど)
でもね、
(それはよくない)
だって犬なんか飼ったら、イルカ先生は俺に構ってくれなくなるから。
「飼わなくていいですよ、犬なんて」
「なんでですか!いいじゃないですか」
「そんなこと言わないで。俺があんたの犬になるから」
言われれば、お手だってお座りだってなんでもするよ
寂しいときは傍にいるから
「・・・お手」
「わんっ」
「うわっ飛びつくなーっ!!お手だろーーっっ!!」