2006 |
12,28 |
「っ・・・で・・・でるっ・・・」
ハアハアと息を切らす土方さんは、俺の横に倒れこむ。恨めしそうな目で見てくるから、今日は何回シたのかな、と頭の中で考えてみた。
「何回しやしたかねィ・・・ま、気持ちよかったからいいじゃないですかィ」
「よくねーよ!!」
土方さんはツッコみながら思い切り起き上がって、腰を押さえた。痛いに決まってるよ、心の中で思う。
未だに恨めしそうに彼は見ているから、大袈裟にため息をついてみた。
「大体土方さんは細かいんでさァ。女々しいったらないですぜ」
土方さんは口をあけ何か言おうとしたけど、諦めたように反対側を向いた。
俺は土方さんの背中を見ながら、布団を引き寄せる。
「文句はもう終わりですかィ」
「あーそうだよ、お前に付き合ってたらキリがねぇからな」
フン、と鼻を鳴らす。もう関わるな、と背中が語っている。
普段なら俺はここで自室に戻る。それが暗黙の了解だったけれど、今日はなんとなく帰りたくなくて、布団をもっと引っ張りあげた。
「今日はここで寝まさァ」
「・・・まぁいいけどよ、さっさと寝ろよ」
珍しく土方さんは優しい。きっと眠さと、少しブランクがあったせいだ。
「俺ァね、出すときが一番好きでさァ」
「はぁあ?・・・てめー何言ってンだよ、斬るぞ」
フフフと俺は笑った。
「土方さんも好きでしょうに」
「・・・うっせーな、好きだよ、当たり前だろ男だからな」
投げやりに言うその背中はもう眠たいと言っている。
世の中はしんと静まり返っていて、全てが寝ている時間なんだから、この人が眠くなるのも仕方のないことだ。だって彼は、この屯所にいる誰よりも規則正しい生活を送っている。
「いやいや、俺の好きはただの好きじゃないですぜ」
「ぁあ?そうだよなぁ、お前アブノーマルだからな・・・」
またため息をついて、フッと息を吸った。その後すぐに、スースーと寝息が聞こえてきた。
あんまりにも静かで、心臓の音まで聞こえてきそうだ。
「そうじゃあなくてねェ」
土方さんの中で出すから、好きなんでさァ
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