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memo

思いついた妄想をつらつらと・・・
2025
06,02

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2006
09,17

 イルカ先生の部屋には何もない。
 おれの部屋も、よく殺風景とは言われるが、この部屋は殺風景を通り越している。
 でもおれは、この部屋が好きで、よくこの部屋でのんびりする。
 そんなときはいつも、イルカ先生は書類にテストの答案に、とにかく仕事に、格闘している。
 今日も、イルカ先生は赤ペンをもし、一定のペースで手を動かすんだ。

 今イルカ先生が向き合っている答案の持ち主は、どうやらペケが多いみたい。
 こんなこと言ってはなんだけど、おれはマルよりペケのほうが好きだ。
 単純に、イルカ先生の手の動きが好きだから、なんだけど。
 そんなこと考えながら、手に持ったイチャイチャパラダイスもそこそこに、イルカ先生の手をじーっと眺め続けた。

「あなた何してるんですか」

 唐突に降りかかる声。
 その声と同時に、ペンの動きは止まった。

「ああ、気にしないでください。手、動かしていいですよ」
「気になるんです、言ってください」

 イルカ先生はそう言って、ペンを投げ出した。
 理由を言わないと、もう動かしてくれそうにない。

「見てるんですよ」
「なにをですか?」
「動きを。おれはペケをつけるイルカ先生の手が好きですねぇ」

 笑いながらそう言うと、イルカ先生は呆れたように怒ったように言った。

「・・・構ってやらないこともありません」

 ビックリしてイルカ先生を見ると、耳を真っ赤にして、俯いていた。
 そこで気づいた。
 おれがイルカ先生の家に行くと、いつも仕事をしている理由。


 どうしていいか、分からなかったんだね
 二人きりでいる、この空間に戸惑って、話しかける、そのきっかけに悩んで。
 近い距離にいても、実は遠い距離にいたとか、今はどうでもいい。
 こうしてお互いが同じように悩んでいたことが、なぜか嬉しい。
 おれのために悩んでくれていたなら、もっと嬉しい。
 考えていたらおかしくなって、おれは思い切りイルカ先生を抱きしめた。

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2006
09,17

«数式»

 数ある教科の中で、最も苦手なのは数学。
 でもその苦手な数学の問題を解くたびに、おれの心は温かくなる。
 だってこれは、あの人が一番得意としたものだから。
 数式を覚えるたびに、頭の中であの人が笑う。

“やればできるじゃねぇか”

 昔テスト前によく教えてくれたときの、その顔で。
 今は遠いところへ出かけていったあの人。
 元気にしてるかな、
 おれは今もこうして、苦手な数式にあなたを思い浮かべてますよ。

2006
09,06

 人殺しが嫌で里を抜けた、

 そういえば多少聞こえはいいが、実際のところは唯人が煩わしかっただけ。
 命令されて、命令して、怒って殴って殺して、
 あーもうどうでもいいや、って思ったときにはもう体は動いていた。
 それから山奥の小さな小屋で、サバイバル生活。
 幸い文明的な生活よりも、原始的な生活に慣れていたから、その生活に困ることはなかった。
 でも、何か足りない。

――――人だ

 里を抜けて、もう戻れなくなって気付いた。
 笑い合って、励まし合って、声を掛け合える人間は、本当は大切な存在だったのだ。
 そう思った矢先、人を忘れかけた殺伐とした生活の中に、一人の人間が転がり込んできた。



「はたけカカシさんですか?」

 殺気を発さない、まるで何も考えていないような人。
 それでも木の葉マークの額宛をしていたから、すぐに追い忍だと分かった。
 けれど、正直捕まろうが、拷問されようが、もうどうでもよかったから、素直に頷いた。

「そうですけど、なにか」
「一応追い忍なんですけどね、」

 モグモグと言い難そうに、口を動かした。

「・・・一緒に暮らしませんか?」

 そのたった一言に驚いたのは言うまでもない、開いた口が塞がらないとはこのことだ。
 どうせ里が仕向けたものだ、おれを更生しろとか何とか言って。
 本当に嫌なら殺しても構わなかった。
 けれどそこで再び頷いてしまったのは、人が恋しかったから。
 そしてどうしてか、動くたびにピョコピョコと揺れる、その黒髪が気になったからだ。
 いつ殺されるか分からない生活も、スリルがあって楽しそう。
 なにより、この部屋も少しだけ、人の匂いがするようになるかもしれない。温かさを取り戻せるかもしれない。
 会ってすぐなのにおれは、自分の一生をこの人に賭けてみよう、そう思った。


 それから、奇妙な同居生活が始まった。


                                         to be continue...

2006
08,31

«»

 鉛筆の持ちすぎで、手が痛くなった。
 そういえば最近は、忍具より鉛筆を、そんな忍びらしからぬ日々を送っている。
 木の葉が平和な証拠か、はたまたおれが平和な証拠か。
 どちらとも言わず、明らかに後者だ。

 噂では、ナルトは随分強くなったと聞く。
 サクラは綱手さまに弟子入りし、サスケはきっと今頃、自分を探しているだろう。
 どんな状況にあれ、みな自分の行くべき道を見つけ、それに向かって突き進んでいる。
 自分の背の半分もなかった子供たちが、木の葉を背負っていく。
 とても良いことなんだと思う。
 それでもどこか寂しさを感じるのは、おれの我儘なのだろうか。
 あの人だけは傍にいて欲しいと願うけれど、それも叶わぬ夢だと、心のどこかでは気づいている。

 だってあの人はもう、随分遠いところへ行ってしまったじゃないか

 みんなとともに歩みながら


「・・・よかったですね」


 誰もいない職員室に虚しいほど響いた声。
 まるで誰にも受け止めてもらえないおれみたいだなあと、少しだけ笑えた
2006
08,29

«プリン»

 プリンが好きだ。
 とろーりとしたプリン、
 出来ればカラメルはいらない、と昔は思っていたけれど、今では2つが混ざり合うおいしさを覚えた。
 毎日食べたいなぁ
 でもあのプリンは高いから・・・
 そうだ!カカシさんに買ってもらおう
 いつも甘えないんだから、これくらい・・・

「というわけで、プリン買ってください」

 珍しくイチャパラではなく、新聞を読むカカシさんに言った。
 カカシさんは新聞から目を離し、俺を見るとニコッと笑った。

「いいですよ」

 てっきり断られると思っていたのに、なんだこの人は!
 “というわけで”の意味も言ってない、すごく意味不明な頼みなのに・・・
 カカシさんは、自分で頼んで困惑する俺を見てまた笑った。

「・・・いいんですか?」
「いいですよ」
「ホントに?」
「ホントに。・・・じゃあ1つ条件」

 カカシさんは、今度は手に持っていた新聞を置いて、近寄ってきた。
 額に温かい唇が触れる。

「これからもっと甘えて」

 なぁんだ、そんなこと

「・・・プリン1週間分で手を打ちます」

 素直じゃない、オレ

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